今年度の小田原シニア劇団チリアクオールディーズの成果発表の撮影が終わりました。
今回は三の丸ホールの小ホールで、30分の舞台作品を作りました。
タイトルは「つくづく、も」
新作です。
喫茶「ももとせ」を舞台に、ひとくせもふたくせもある登場人物が
次々と現れ、シュールなやりとりを繰り広げます。
そんな中、一人の男性客にまつわる少し切ないお話が垣間見える、という筋です。
オールディーズの皆さんは、60代以上の人たちで、
2020年に誕生したため、まだ一度も有観客での本番を経験していませんし、
台本を手放して舞台に立つのも初めてでした。
(去年はリーディングやラジオドラマ収録が主な活動でした)
はじめての実戦。みんなの想像力が爆発していてすごいことになっていました。
特に小屋入りしてからの稽古でそれはめざましく、皆さんの脳から出てくるアイデアは本当に潤沢で、
あれもやってみたい、これもやってみたい。
こうしたらどうか、ああしたらどうか、という前向きで活発なやりとりに何度も立ち会いました。
表現としての効果的かどうかは置いておいて、今回はとにかく本番も皆さんのアイデアを尊重する形で、
むかえることにしていました。
ゲネプロを終えて、本番当日の今日。
衣装を変えた人がいました。
小道具を持ち込んだ人がいました。
セリフを増やし、キャラクターを変えた人がいました。
勝手に出番を増やして出てくる人はいませんでした。
なにはともあれ、僕は皆さんのおもしろを探す力に脱帽したのです。
やればやるほど刺激されてアイデアが湧き出てくる。いい状態だったんだなぁと思います。
もちろんたくさん悔しい思いもしていたと思います。
まさか自分がこんなにセリフが覚えられないなんて、と愕然としている姿も見ていました。
しかし舞台の上で一生懸命セリフを言い、思い出そうとしている姿は、とっても美しく価値のあるものなんですよ。
これからも皆さんのこの前向きな勢いに負けないように、やっていこう、と決意したのでした。
舞台スタッフの皆さん、会館スタッフの皆さん、事務局の皆さん、そして南咲さんに、果夏、上田、沙絵ちゃん、優香。
ありがとうございました。
来年度もよろしくちゃんです。